米粉ともち粉
更新:2021年8月30日
日本では古くから使われている食材の米粉(こめこ)ですが、
あまり馴染みのない方も多いのではないでしょうか。
主に和菓子の材料として使われている米粉ですが、 近年では洋菓子や料理などにも使われています。
本稿ではこの米粉、もち粉についてどういうものなのか、 どのように活躍しているのかを紹介しています。
主に和菓子の材料として使われている米粉ですが、 近年では洋菓子や料理などにも使われています。
本稿ではこの米粉、もち粉についてどういうものなのか、 どのように活躍しているのかを紹介しています。

目次
1.米粉とは?
1.1.概要
一般的に米粉(こめこ)とはお米を細かく砕いて粉状に製粉したものの総称です。団子(だんご)など和菓子の材料に使用される他、その特性(食感、グルテン化しない)を生かして 小麦粉の代替としてパンやケーキの生地、揚げ物の衣に使用されることもあります。
また、小麦アレルギー症状の原因となるグルテンを含まない(グルテンフリー)ので、アレルギーのある人が安心して食べられる食材でもあります。
ファーストフードチェーンの「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」 でも低アレルゲン商品として米粉チキン、米粉パンが販売されている例があります。(執筆時)
KFCの「低アレルゲンチキンセット」(外部リンク)
1.2.米粉ともち粉
米粉の原材料として使われるお米の種類は、- うるち米(うるちまい):いわゆる「ご飯」に使われているお米
- もち米(もちごめ):いわゆる「お餅」に使われているお米
※この場合、「米粉」の一種ではありますが「もち粉(糯粉)」と呼ばれることもあります。
1.3.米粉(うるち米)の特徴と用途
- 特徴
一般に「上新粉」と呼ばれます。
水と混ぜて加熱調理した際の、うるち米の風味、しっかりした弾力が特徴です。 - 用途
単体としては月見団子(串だんご)のようにしっかりとした食感の和菓子の生地に適しています。
また、単体の他に後述のもち粉と併用することで弾力(歯ごたえ)と粘り気(もっちり感) を調節することができます。 だんご粉(だんごこ)と称されるものもその一例です。
こちらはその名の通り、団子や柏餅などの和菓子の生地に使用されます。
1.4.米粉(もち米):もち粉の特徴と用途
- 特徴
米粉(うるち米)と同様に水と混ぜて加熱調理しますが、もちもちとし、しっとりとなめらかな食感が特徴です。 - 用途
単体としては白玉団子のようにもっちりとした和菓子の生地に適しています。
寒い時期にはおしるこ、暑い時期には冷たいあんこやきな粉を付けて楽しめます。
また、求肥(水と砂糖を加えて加熱、練ることで粘りを出す)の材料としても一般的です。
求肥は糖を加えていることにより、常温でも固くなりにくいので大福の皮などに使われます。
冷たいお菓子、「雪見だいふく」でもモチモチの食感を実現しているのはこの求肥です。
株式会社ロッテの「雪見だいふく」(外部リンク)
コラム1.十五夜と月見団子
- 十五夜(じゅうごや)とは
十五夜は「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」とも呼ばれ、 旧暦の8月中旬、現在の暦では「9月7日から10月8日の間で、満月が出る日」とされています。
因みに、2021年の十五夜は9月21日(火)となります。
この時期は、月が綺麗に見られ、農作物の収穫時期でもあり、 神秘的な月を眺めるて楽しむ他、自然の恵みに感謝する意味もある風習です。
- 月見団子(つきみだんご)
十五夜の際に丸い団子を月に見立て、15個をピラミッドのように積んで供える習慣があります(主に関東地方の様式)。
他にススキや里芋、栗などの農作物を供え、豊作に感謝を表すこともあります。
少し涼しくなるこの時期、団子をお供にお月様を愛でるのも風情があって良いかもしれません。
だんご粉 1kg(販売ページ)
3.米粉の魅力:なぜ米粉?
3.1.いろいろなお菓子や料理に使いやすい
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お菓子
小麦粉を使った洋菓子に比べ簡単、失敗しにくく作れます。
油分が少なくサラサラしているので粉を振るったり、グルテン化しないので長時間こねるなどの工程が不要なためです。
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パン
小麦粉とは違った、米粉ならではの風味、食感、香りが楽しめます。
近年では大手パンメーカーでも商品化されており、スーパーマーケット等で販売されている場合もあります。(執筆時)
Pascoの「米粉のロール」(外部リンク)
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揚げ物
小麦粉に比べ油を吸いにくいので、 天ぷらやからあげの衣に小麦粉の代替として使うとサクッと軽い食感にできます。
もちろんカロリーを抑える効果も期待できます。
3.2.ダイエット、運動時の補食に
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腹持ちがいい
もち米は消化に時間がかかる、いわゆる腹持ちが良い食品です。
例えば、米粉(もち米)で白玉団子などを作っておけば簡単に食べられ、少量でも長時間空腹感を抑えてくれます。
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バランスのいいカラダの材料
私たちのカラダを作るうえでたんぱく質は欠かせませんが、その元となるのはアミノ酸です。
なかでも必須アミノ酸は人が体内で作ることができず、食物から取り入れなければならない栄養素です。
その含有率(バランス)の指標にアミノ酸スコアというものがありますが、 小麦(食パン)の51に対して米粉の原料であるお米(うるち米の精白米)は93*1と高く、 良質なたんぱく質を効率良く摂取できる食品といえます。
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餅(もち)によるカーボローディング
もち米には、うるち米の約1.4倍の糖質=エネルギー源が含まれているため、 手軽に効率よく筋肉や肝臓に蓄えられ、運動の為の持久力になります。
消化の良い食べ方などのレシピが幅広く、実際に多くのスポーツ選手が餅(もち)を カーボローディング(運動のためのエネルギー源管理)に取り入れています。
コラム2.端午の節句と柏餅
- 端午の節句(たんごのせっく)とは
5月5日は「端午(たんご)の節句」。「菖蒲(しょうぶ)の節句」とも呼ばれています。 現在、日本では「こどもの日」として祝日にもなっています。 元は中国から伝わった風習ですが、 日本では江戸時代の武家で男の子の健やかな成長や幸せを祈ってお祝いをする日として定着したようです。 現在では男女問わず子どもたちみんなが元気に育ち、大きくなったことをお祝いする、 またその母に感謝する日とされています。 - 柏餅(かしわもち)
この日は「五月人形」と呼ばれる鎧兜などの武具をモチーフにしたものを飾ります。
また「鯉のぼり」と呼ばれる鯉をモチーフにした飾りを揚げます。
残念ながら、どちらも近年では住宅事情などから小型化、または省略されることも多いようです。
食べ物としては柏餅(かしわもち)を食べるのが一般的です。
米粉(うるち米、もち米)で作った生地であんこを包み、大きな柏(かしわ)の葉っぱで巻いたお菓子です。
柏の葉の香りがおいしさを増してくれます。
柏の葉を使う由来は、柏の木は新芽が育つまでは古い葉が落ちないことから、 「子孫繁栄」の縁起を担ぐためとされています。
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